映画「ミリオンダラー・ベイビー」のあらすじ・ネタバレありの感想。繊細な感情描写と大胆なクライマックスが特徴のクリント・イーストウッド作品

3.5
AmazonPrime

Amazon Prime Videoより)

ミリオンダラー・ベイビーを見るきっかけになったのが「アメリカン・スナイパー」という、イラク戦争を描いた作品でした。

単純な戦争・アクションバトルではなく実写をもとに描いた作品で、シンプルな筋書きであるにも関わらず飽きずにのめり込んで見れる映画でした。

アメリカの戦争バンザイの風潮、その裏側に隠れた軍人たちの苦悩を描いた作品はストレートだけど見ごたえがありました。同作の監督が「ミリオンダラー・ベイビー」も撮影し、自ら主演を務めたクリント・イーストウッド。監督つながりで今作を見ることにしたのでした。

心情を描くのとても上手い監督で、友情、家族愛、その間にあるまっすぐな愛に加えて、少し微細な、人間関係の歪みをリアルに描いています。

女性よりも男向けな作品だと思います。あとTHE ハリウッド的な作品だと思いますが、描写が魅力的なのでぜひ見てほしいです。

映画「ミリオンダラー・ベイビー」のあらすじ・ネタバレ

「ミリオンダラー・ベイビー」のあらすじをamazonプライムビデオから引用します。

「グラン・トリノ」「ミスティック・リバー」のクリント・イーストウッドが監督・主演のヒューマン・ドラマ。

小さなボクシング・ジムを営む老トレーナー、フランキー。ある日、31歳になる女性マギーがフランキーに弟子入りを志願するが、追い返してしまう。

フランキーの親友スクラップは、諦めずジムに通うマギーの素質と根性を見抜き、目をかける。フランキーはついにトレーナーを引き受けるのだが…。

Amazon プライムビデオ

主演を務めるのは監督自身。30歳をすぎた女性マギーがボクシングの名トレーナーとして名高いフランキー(監督)に弟子入りを志願し、最終的にはタイトル戦に挑戦する舞台まで到達する。

フランキーが経営するボクシングジムには、彼の親友であり、元ボクサーのスクラップが働く。ミリオンダラー・ベイビーの中ではこのフランキーを中心に、成長していくマギー、過去の怨念をぬぐい切れないフランキーとスクラップの3者の人間模様が、上手に描かれています。

映画「ミリオンダラー・ベイビー」の製作

2004年製作/133分/R15+/アメリカ
原題:Million Dollar Baby
配給:ムービーアイ、松竹

「ミリオンダラー・ベイビー」の製作スタッフ・キャスト

製作スタッフ

監督:クリント・イーストウッド
製作:クリント・イーストウッド、ポール・ハギス、トム・ローゼンバーグ、アルバート・S・ラディ
製作総指揮:ロバート・ロレンツ、ゲイリー・ルチェッシ
原作:F・X・トゥール
脚本:ポール・ハギス

キャスト

フランキー・ダン(写真左):クリント・イーストウッド
マギー・フィッツジェラルド(写真右):ヒラリー・スワンク
エディ・“スクラップ・アイアン”・デュプリス(写真真ん中):モーガン・フリーマン

「ミリオンダラー・ベイビー」の考察

フランキー(クリント・イーストウッド)は過去に何度も逸材を育成するのですが、過去にスクラップ(モーガン・フリーマン)がタイトル戦に挑戦した時に失明をした過去がトラウマになり「タイトルに挑戦するときには万全すぎるほどに成長してから挑戦してほしい」と考えています。

(この二人が渋くてかっこいい…!)

一方で、若いボクサーたちは軒並み「早くタイトル戦に臨みたい」「タイトルをとって栄光を手にしたい」という思いがあるため、両者の思惑はすれ違う。フランキーの育成はとても上手なので、若く有望なボクサーは自らの成長を実感することができる一方で、挑戦をさせてもらえないもどかしさでタイトル獲得前にフランキーの元を離れていってしまうのです。

(タイトルを獲得することがボクサーにもトレーナーにも栄光と報酬をもたらすにも関わらずです)

見ているこっちが「タイトル戦に挑戦させてあげてよー」と思いつつ「人間ってこういうもんだよな…」という実感をする。過去の失敗や事故に人間は一生囚われます。同じような経験はしたくないと思い、殻を作ったり、成長が止まったり、将来の仕事が決まったり、信念ができたり。

悪いことばかりではないと思いますが、それはフランキーのように、葛藤の原因になることが多いように思います。

フランキーの葛藤に心揺さぶられます。(何回も揺さぶられてます)

ハリウッドにありがちな「尊厳死」と誤解

ただ、結末には疑問を抱きました。(ややしらけた)

疑問を抱いたのは結末に、付け足すように「尊厳死」が登場する点。

「尊厳死」というのは、植物状態になった人間の延命措置をするか、それとも治療をやめるのかという問題のこと。日本では法律的に認められていないので、たまにニュースになります。

私は正直「お涙頂戴だな」と思いました。ボクシングを通じた人間の愛と成長、個人としての葛藤の演出だけでとても面白かったから、尊厳死の描写は本当にいらないと思ったんです。

これはハリウッドらしい演出で、感動を誘うためにしばし使われる「紋切り型」の表現のようですが、それ以前にアメリカでは尊厳死は法律でも認められているため「ただ感動を誘うためにエネルギーを全力で注ぐ、ビッグフィクションなんだな」という感想を抱きました。

まあ、これが逆にアメリカらしいのかもしれません。

結末以外は面白かったので評価は3.5です。

Amazon Prime Videoで見れるのでぜひ

Photoby WarnerBrothers/Photofest/MediaVastJapan

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