「シン・エヴァンゲリオン劇場版」のネタバレ少なめのあらすじ・感想・考察。興行収入100億円突破!

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春文

大学時代は文学部史学科文化人類学専攻で宗教、西洋文化史、サブカルチャーなどを勉強。趣味は漫画映画ジブリYouTube芸能ダークアカデミア、地域文化、ブログなど。現在は制作会社の運営などもしてます。

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2021/07/13、「シン・エヴァンゲリオン劇場版」が興行収入100億円を突破しました。
この売上は庵野秀明監督としては初の記録とのことです。(過去の作品の興行収入は「:序」が20億円「:破」が40億円「:Q」が53億円「シン・ゴジラ」が82億5000万円
今回はそんなシン・エヴァンゲリオン劇場版を私が初めて見た感想を、ネタバレ・考察あり、箇条書きでまとめたいと思います。

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「シン・エヴァンゲリオン劇場版」の感想は一言でいうと「衝撃・発覚・謎・作画」

渚くんとマリ
シン・エヴァンゲリオン劇場版を初めて見た私の感想は「衝撃・発覚・謎・作画」・・・! です。
意味わからないですよね。1つずつ説明していきます。

― 衝撃 ―(シン・エヴァンゲリオン劇場版)

「シン・エヴァンゲリオン劇場版」を見始めてすぐに気づきました。衝撃が大きすぎて理解ができないと。
普通、映画を見ていると起承転結、物語のセオリーにのっとって話が進むと思います。
しかし、今回の「シン・エヴァンゲリオン劇場版」は前作までの「:序」「:破」「:Q」の流れがあるため、冒頭にも伏線を配置する必要がありません。そのため、冒頭から過去作の伏線回収がいきなり始まるのです。
そのため、いきなり衝撃の嵐が吹き荒れます。

― 発覚 ―(シン・エヴァンゲリオン劇場版)

衝撃にも通じますが、とにかく発覚します。
この映画155分あるのですが、「発覚」が多すぎて全く理解が追いつきません。
碇シンジと葛城ミサトの関係性、葛城ミサトの息子。
綾波レイ、式波・アスカ・ラングレー、真希波​・マリ・イラストリアス、渚カヲルたちの素性。
碇シンジの両親の関係性や、エヴァンゲリオンのある世界とない世界。
庵野秀明監督はこれまでエヴァンゲリオンシリーズの中で描いてきた伏線を回収させてくれる解を描いてくれている雰囲気はあるのですが、わかったようでわからない。この状態が最後まで続きました。

― 謎 ―(シン・エヴァンゲリオン劇場版)

そして見終わった後には謎が残ります。
過去作の伏線を回収したと思いきや、謎。それに庵野秀明監督のコアファンとまではいかない私は物語以外の演出に対してもめっちゃ謎が残りました。
考察記事を読むのも悔しい、、もう2回くらいは自分で見て、考察したい、、そう考えている私は未だに多くの謎に惑わされています。

― 作画 ―(シン・エヴァンゲリオン劇場版)

最後に書くのが「作画」について。
庵野秀明監督のサービス精神は旺盛で、様々な演出技法を凝らして楽しませてくれるのですが、その演出・作画の意図を掴むのが超難しいです。
普通の作画、モーションキャプチャー、CG、実写。さまざまな演出をたのしめば良いのか、それとも費用の問題なのか? 見ている最中は解釈がうまくできず戸惑っていました。
おそらく演出なので純粋に楽しめばいいのですが…個人的にはマニア向きな側面だなと思います。

「シン・エヴァンゲリオン劇場版」の本質は親への執着と脱却

終盤で行くともらえるパンフレット
とはいえ「情報」以外に考察も少しはしたので最後に考察を紹介して終わります。
「シン・エヴァンゲリオン劇場版」、いやエヴァンゲリオンシリーズで庵野秀明監督が描きたかったのは端的に言うと「親子」について、だと思います。(ここは誰でもわかります)

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母性への神性と、親子の壁

「シン・エヴァンゲリオン劇場版」は碇ゲンドウの出番が圧倒的に多いです。
碇シンジの目線で描かれてきた碇ゲンドウは、子どもに興味がない、自分の目的のために息子を利用し、世界を滅ぼさんとする悪人として登場します。
しかし、今作での碇ゲンドウは感情的に、より碇ゲンドウ目線で描かれます。エヴァンゲリオンを利用して世界を滅ぼそうとする碇ゲンドウが漏らすのは「ユイに会いたかった」の言葉ばかり。そして、自分が親に愛情を受けなかったことを引き合いに出しながら「ユイのいない状態で子どもだけが残ったのは自分への罰だと思った」と語ります。
碇シンジ目線で描かれていた「愛のない親」は、かつて「愛のない親」に育てられ、そしてユイ(母性)と会ったことによって救われた一人の人間だったのです。
そして、ラストに近づく中で碇ゲンドウはシンジを見ながら「ユイはここにいたんだ」と言い残しその場を去ります。
最後は仲間を救うために勇気を持ったシンジ、最後まで自分に目が向いて、ユイ(母性)への神性を信じて世界を滅ぼそうとしたゲンドウ。その両者の間で描かれるのは「親を超えることができる子ども」の強さ、そして「親を超える・超えない」という葛藤が描かれているように感じました。

エヴァンゲリオンがある世界、ない世界

そして、親子の戦いが終わったとき、そこには「エヴァンゲリオン・使徒・リリー」という神のモチーフが消失した世界が広がります。
使徒・リリーに対しての解釈がまだできていませんが、エヴァンゲリオンとはゲンドウが作り出した「人工的な神」だと思います。人工的な神は、ゲンドウが自分の世界を守るために作り出した虚構の力です。
世界と真っ向から向き合うことを決めたゲンドウとシンジは、もはやエヴァンゲリオンに乗る必要がないので、ラストのシーンでは虚構の世界 = アニメの世界が消えて、実写の世界に戻ります。(その前にも、碇シンジ、綾波レイ、マリが登場するシーンでメタ的にエヴァンゲリオンのアニメ世界を眺める描写が続きます。このあたりから「エヴァンゲリオンがない世界」へ向かっていることがわかります)
この描写は「親を乗り越えたシンジ」ではなく「親を乗り越えたシンジを見たゲンドウが、そこに自分とユイの影を感じる」ことによって、シンジを取り巻く世界が変化したことを描いているように感じます。
そして、エヴァンゲリオンのある世界で消失した肉体・精神はともに現代に戻ったのかなあと思います。
以上で現時点の考察は終わります。
親子の壁、以外にも様々な情報が五月雨ているので引き続きレビューしたいと思います。反論・共感はTwitterやコメントなどいただけると嬉しいです。

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「シン・エヴァンゲリオン劇場版」の製作

2021年製作/155分/G/日本
配給:東宝、東映、カラー

制作陣

総監督:庵野秀明
監督:鶴巻和哉、中山勝一、前田真宏
企画:庵野秀明
原作:庵野秀明
脚本:庵野秀明
エグゼクティブプロデューサー:緒方智幸
コンセプトアートディレクター:前田真宏
総作画監督:錦織敦史
作画監督:井関修一、金世俊、浅野直之、田中将賀、新井浩一

「シン・エヴァンゲリオン劇場版」の前作



関連:「映画「シンゴジラ」のあらすじ・ネタバレありの感想。監督はエヴァンゲリオンの庵野秀明
画像:(C)カラー

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